雑記Vol.1:このブログが目指すところ
こんにちは!ルシアンです。
まだまだ始まったばかりのブログですが、沢山の反響をいただきありがとうございます!
このように、数学の気づきや感動を共有できることが嬉しくて、次の記事やシリーズの構想が溢れてきてしまい、嬉しい悲鳴をあげております。笑
今日は数学の議論から離れて、「高等数学を学ぶ難しさ」に対する私の考えと、このブログが目指している役割についてお話したいと思います。
「高等数学を学ぶ難しさ」について
ここでお話したい「高等数学」というのは、高校までに教わらない数学ということにしたいと思います。具体的には、集合論・位相論・微分積分学・線形代数学や現代的な代数学・解析学・幾何学など、大学以降で講義されている数学です。
私はTwitterを始めて、これら高等数学について知りたいという方が沢山いることに驚き、また感動しました。なんとかしてその力になりたいと考えております。
それで、現状の「高等数学を学ぶ難しさ」について色々考えたのですが、大きく分けて次の2つのパターンが多いように感じられました。
パターン①:記述や説明が難しすぎて、面白さを味わう前に力尽きる。
数学の専門書や大学の講義、またネットにある「誰かのまとめノート」のpdfなどがこのパターンにあたると思います。
これは、数学そのものが難しいというよりは、次のことが原因だと感じます。
- 「この分野について書くからには、この定理までたどり着かないと」という著者の思いが強く、本命の定理までストレートに書き進めようとする。その結果、それまでに導入される概念は「物語」もなく唐突に現れることになってしまう。
- 個々人の「数学の捉え方」を尊重するために、筆者は主観的な記述を避け、よく用いられる例や誰もが認める捉え方の解説にとどめようとする。その結果、「捉え方」を十分に持ち合わせていない人にとって、非常にヒントが少ない状況になってしまう。
パターン②:数学の「おはなし」で終わってしまい、自分で納得するまで確かめられない。
数学を扱った一般書や啓蒙書、セミナーなどにみられるパターンだと思います。
これは、もともと誰に話してもいいように準備されていることに起因しているのではないかと思っています。その上、「もう少し厳密に考えてみたい!」と思っても、その声はなかなか届かないので、結局次のステップに踏み出せず、悶々として終わってしまうことになったりします。
このブログが目指すところ
私がブログを始めると決めたとき、上に書いた「難しさ」を解決してみたい!と思いました。具体的には、次のことを心がけたいと思っています。
1.「本命の定理」を決めずに、各理論の各概念に「物語」をもたせて、一つ一つを味わう。
これは登山に例えると分かりやすいかもしれません。多くの専門書が「頂上にたどり着くための最短ルート」について解説しているとすれば、私のブログは「中腹までの楽しいハイキングコース」を教えることが目的です。もしくは、「ベースキャンプで体を慣らす」という役割も担えると思っています。
2.積極的に、自分が思う「捉え方」を伝えていく。
私も「個々人の『数学の捉え方』を尊重する」ことには賛成なのですが、それを誰もが自発的に持てるとは思っていません。
実際プロの数学者でも、一人でいくら頑張っても読み進められない論文が、分かっている人と直接話したらあっという間に読めるようになってしまった、という経験がざらにあります。
なので、独学でがんばろうという方々にとって、「数学の捉え方」が自分で持てるまでのよりどころにできるような内容にしたいと思っています。
3.読者の方との議論を通して、記事の内容や難易度を決めていく
私のブログの記事も、基本的には「なるべく多くの人が分かる内容」を目指して書かれております。しかし、出版物とは違って次の内容はどうにでもできるので、読んで下さった方の声をどんどん反映したいと思っております。
例えば、当初は数学基礎論の流れで「集合論」「位相論」を話していこうと思っていたのですが、「そもそも基礎論の記事が難しい」という意見もいただいております。笑
それを受けて、基礎論からの流れだけにとらわれず、「幾何学と集合論」だとか、集合論が他分野でどんな意味を持つか等についても並行して話していきたいなと思っております!
まとめ
なんだかマニフェストのような記事になってしまいましたね(>_<)笑
このような話を書くよりは、具体的な数学の話の方が求められているのかな?とも思ったのですが、一度私の想いを言葉にしてみたいな、と思いました。
また、博士号取得まで数学をやってみて感じた「高等数学を学ぶ難しさ」をシェアすることで、皆さんにはもっと苦労なく勉強してほしい!という願いもあります。
少しでもこの願いが叶うなら幸いです。
それでは、次回はまた数学の議論に戻りたいと思います。是非ご付き合いいただければ嬉しいです^ ^♪